
病気が回復する見込みがなく、自ら死を選択できる安楽死という制度。
日本では安楽死は認められていませんが、海外では合法化されている国があります。
今回のテーマは知ると怖い「安楽死」の実態です。
安楽死をするためにスイスに行く人が増えている?
スイス、オランダ、ベルギーでは安楽死が合法化しています。
その中でもスイスは外国人の安楽死を認めている唯一の国です。
病気の苦痛に耐えられなり安楽死を求めている日本人がいたとします。その人はスイスに旅行に行けば安楽死で人生を終えることができるわけです。
ではどのような方法で死を迎えるのか?
安楽死希望者の患者に致死薬の点滴を打つ方法が有名なのですが、まず手首に点滴の針を刺し、自分でストッパーを解除します。
解除されると体内に薬が注入され、早いと20秒ほどで体の力がストーンと落ち30分ほどで亡くなるとのこと。
なんの苦痛もなく死を迎えることができるわけです。
この安楽死サービスを受けるために2008年からの5年間で600人以上の患者がスイスに渡ったとのこと。(過去に日本人は3人安楽死しています)
ただの自殺ではないかと賛否両論のある安楽死ですが、世界では注目度が高まっています。
料金はいくらなのか?
スイスの安楽死支援団体を通せば150~200万になるといいます。
内訳は旅費や病院での診断費、遺体の輸送費です。
オランダの年間の安楽死の死者は6000人以上
スイスと並ぶ安楽死大国であるオランダでは、2016年に安楽死した人の数は6091人という統計が出ています。(死亡者の4%が安楽死)
ですが、安楽死を受けるには厳しい基準があり、年齢は12歳以上で耐えることができないくらいの苦痛にさいなまれてる人限定です。
つまり末期の患者のみです。最も多いのはやはり癌患者。
さらに恐ろしいことにオランダでは「宅配安楽死サービス」が存在します。
安楽死を希望しているのに担当してくれる医者が見つからない人のために、医者が自宅まで駆けつけて安楽死させてくれるというサービスです。
このチームはオランダ国内ならどこでも行くとのこと。
このサービスを受ける条件は普通の安楽死制度とほとんど変わりません。
①死にたいという意思表明の時に意識がしっかりしていること。
②苦痛が続き耐えられない。
この二つの条件を満たせば安楽死ができるということです。
2012年の時点で起動しているのは6台なので、今現在はさらに規模が拡大しているかもしれません。
東海大学安楽死事件(医者によって勝手に殺された事件)
1991年、日本の病院で起きた安楽死事件を紹介します。
患者は多発性骨髄腫という病気で東海大学医学部付属病院に入院していました。
こん睡状態が続く患者の兄が医者に「楽にしてあげてください」とお願いし、その医者は点滴などを外し治療を中止しました。
さらに医者は通常の2倍以上の薬を注射するなど行いましたがそれでも死ななかったので、最後に塩化カリウムを注射して死亡させたというもの。
患者は意識不明状態だったため、死にたいという意思表明をしていないのに殺されたというところが問題になりました。
通常、安楽死は患者の意思表示がないと行われません。
なので、これは殺人罪なのでは?となります。
判決の結果こうなりました。
1995年3月に懲役2年、執行猶予2年の有罪判決を下され、日本で初めて安楽死で医師が有罪判決を受けました。
医者はお願いされて薬を投与したわけであって殺意がなかったのでは?という意見もありますが、法律上では殺人罪となりました。
いろんな意味で悲しい事件です。