
独裁国家と聞いて思い浮かべる国、日本人なら身近なところで北朝鮮と答える人が多いと思いますが、北朝鮮を上回りそうな独裁国家がアフリカに存在します。
国名はエリトリア。
聞いたことがない人がほとんどだと思いますが、アフリカ北東部に位置する独裁国家です。
2017年のジャーナリストらによる「世界報道自由度ランキング」によると、エリトリアは世界ワースト2位でした。(もちろん1位は北朝鮮)
これは絶対的な独裁者の権力によって支配されている指標となるランキングです。
このエリトリアがどんな国なのか、丸裸にしたいと思います。
エリトリアの基本情報
まずエリトリアの位置です。アフリカの東部に位置しています。

参照:旅行のとも、ZenTech
1952年9月15日から1962年11月15日までエチオピア・エリトリア連邦だったが、62年にエチオピア軍政下になる。
メンギスツ(エチオピア初代大統領)の社会主義政権に対し国民の不満は高まりエリトリア独立戦争が展開。
そして1993年に独立しました。
史上最悪の独裁国家になる
エリトリア初代大統領に就任したイサイアス・アフェウェルキによって国会議員が選出され一党独裁国家を築きました。
まず、この国家には憲法や選挙はなく、イサイアスの命令によって全てが決まるというシステム。
国民は男性も女性も18歳~60歳まで兵役が強いられており(42年間の兵役)、兵役を終えた後は建設や工事などの重労働に課せられるという。
※ちなみに北朝鮮の兵役期間は、男性は10年 、女性は7年です。(数年前に女性にも兵役が義務付けられました)
まさにこの世の地獄であり、何のために生まれてきたのかもわからない人生です。
そして、この不満だらけの政府を批判、抗議をしたものは即死刑になるという。(言論の自由はなし)
北朝鮮と同様に国外に逃げ出す国民がいるらしいが、地中海からヨーロッパに渡ろうとして遭難死する事故が跡を絶たないそうです。
2014年半ばまでに約35万人ほどの国民が国外へ脱出し、現在でも毎月5000人近くの国民が脱出しているらしいが、帰国すると拘束されて拷問を受けます。(つまり1度国外に逃げた人は二度と戻れない)
なぜ軍事独裁国家になったのか
■なぜ軍事に力を入れるのか
第一に考えられるのはエチオピアとの関係です。
エリトリアとエチオピアにはバドメという町の領土問題があり、1998年には紛争に発展しました。(2018年7月9日、エチオピアと首脳会談を行い、戦争状態の終結の共同宣言に署名)
他には国境を巡って隣国ジブチと対立(1990年には二度の軍事衝突)、イエメンと天然ガス田をめぐって紛争が勃発するなど、隣国との関係が悪化しているため、軍事力を高めていつでも紛争に対応できるようにしていると考えられます。
■なぜ独裁国家になったのか
初代大統領のイサイアス・アフェウェルキは1967年に中国の大学に留学して毛沢東思想や軍事を学んだそうですが、この時に独裁国家に強い影響を受けたのではないかと思います。(毛沢東といえば社会主義独裁国家の象徴です)
独裁者イサイアス・アフェウェルキの画像

参照:Wikipedia
悪政を敷くイサイアス・アフェウェルキ。
見た目はただのおじさんに見えるが、この人が何人の国民を殺したかを考えると恐ろしいです。