
18世紀に誕生したイギリスの秘密結社「地獄の火クラブ」は神ではなく悪魔を崇拝していたという謎の組織です。
内容は秘密の社交クラブだったが、組織内でいったい何が行われていたのか、謎に迫ってみます。
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地獄の火クラブとは?
かつてイギリスに存在した「地獄の火クラブ」は18世紀にフランシス・ダッシュウッドという大富豪の貴族により創設されました。
彼はいくつもの上流階級者専用の社交クラブを運営していたのですが、普通のクラブに飽きてしまい、もっと刺激的なクラブを立ち上げようとしてこの地獄の火クラブを創設したといいます。
30~50名の会員で構成されており、メンバーは有名な詩人、財務長官、のちにイギリス王となるウィリアム・フレデリックなどの有名人がそろっていました。

画像:Abarta Heritage
悪魔の火クラブの会員の絵画です。貴族っぽい男性が5人描かれています。
まず彼はテムズ河畔の廃墟の修道院を買い取り、そこを改装して拠点とします。
驚くのが、修道院内に飾られていたもの。12使徒の卑猥な絵画や、男根が丸見えの神々の彫刻を飾り徹底して神を冒涜しました。
反キリスト、悪魔崇拝のクラブだったのです。
内部でどのような儀式が行われていたか?
悪魔に祈願しキリストを冒涜する「黒ミサ」という儀式が行われていたのですが、その内容はとてもおかしなものでした。(逆にキリストを称える儀式をミサといいます。その反対が黒ミサです)
祭壇には逆さまの十字架が飾られ、蒸留酒を飲み、会員である全裸の処女の体に酒を垂らしそれを飲み、悪魔を賛美する歌を唱えたといいます。
このようなことをして神聖な儀式をバカにして神の敵である悪魔を喜ばせました。
1762年、メンバー達は仕事が忙しくなり会合に参加できなくなるなどの理由でこの結社は閉鎖されました。
内部で行われていた乱交パーティー
このクラブの会員は主に上流階級出身者が多く、彼らは悪魔信仰の口実でキリスト教の性的タブーを犯していきました。
会員同士の乱交パーティー、近親相姦、同性愛、SMプレイ、獣姦、やりたい性行為を全て行い、さらには売春宿から娼婦(しょうふ:風俗嬢)を連れてきて、できる範囲全ての体位でプレイを楽しんだと言います。
つまり性行為が目的の社交クラブであったということです。
彼女たちとの乱交を盛り上げるために悪魔の儀式を行っただけであって、本気で悪魔を信仰している人はいませんでした。
のちにこのクラブは近所の住民から不信感をもたれ、十数年ほどで閉鎖に追い込まれますが、その時に書類が焼却されてしまい現在は正確な情報はないとのことです。
創設者のダッシュウッドは城と住居を兼ねた建物を造り、晩年はそこで引きこもりの生活を続け、1781年に生涯を終えました。
この家には今でも鍵がかかったままの開かずの部屋があり、そこにはエロティックな絵画が飾られているという噂があります。