
自殺願望者の相談口となっている「いのちの電話」。
この存在をご存知の方は少ないと思います。
簡単に言うと、いじめ、借金、職場のトラブルなどで、もう死にたいと思っている人が最後の助けを求める相談口のようなものです。
今回はこの「いのちの電話」の実態について書いてみました。
いのちの電話とは?
全国各地に事務所をかまえるこの「いのちの電話」とは、家庭内暴力、虐待、いじめ、ハラスメント、ストーカー、家出、ひきこもり、多重債務、自殺など、 1人で解決できないさまざまな人生の悩み事やトラブルを相談してサポートしてくれるサービスです。
営利を目的としない活動をする一般社団法人です。(全国52カ所に拠点を構えている)
この「いのちの電話」のサービスは1953年イギリスで始まり、1971年に日本にも伝わり東京で開始されました。
日本では約6500人の相談員が活動していて2015年の相談件数は70万件以上だといいます。
年間に3万人以上の自殺者がいる日本では、いのちの電話が殺到してなかなか繋がらないなどのトラブルがあり、ある女性によると、240回目でやっとスタッフに繋がったという情報もあります。
相談員の給料はいくらか
自殺寸前の境地に立たされている人に対して適切に応えるのは容易なことではないが、相談員は全員ボランティアだといいます。
相談員になるためにはどうのような経緯があるのか、「群馬いのちの電話」を例にあげると、2017年10月から2018年7月まで、月3回講習を受けなければならないそうです。
受講料は25000円(自己負担)。
さらにその後に1年間の実習があり合格して相談員になれるという長い道のり。
しかし相談員になったところで給料は発生しなく、交通費も自己負担。
なぜ相談員になろうと思ったのか?疑問ですが
同じような苦しみや悩みを経験したことがある人が、同じ目線に立って相談に乗ることに意義があるという。
存続の危機に・・・
群馬いのちの電話では高齢などを理由に辞めた枠を補充するために募集をかけたところ、30人の定員に対して6人しか応募がなかったという。
また、北海道いのちの電話の事務局の方が自殺予防の研修会で参加者に募集を呼びかけてみたというが
「現在、相談員が不足して、大変厳しい状況が続いています。ぜひ応募して頂ければなと思います。よろしくお願いします。」
しかし、興味を示す人はいたものの、応募はなかったそうです。
相談員になりたいという需要が少なく、存続の危機にひんしているという。
ひとりの人の命を救う可能性もある重要な職業だけにボランティアというのは納得がいかないのでは。