
1982年、新宿の歌舞伎町で中学3年生の女の子がナンパされて殺傷される事件が発生しました。
近年、歌舞伎町は警察の取り締まりが厳しくなり、かつての怪しさはなくなりつつあるが当時は危険な繁華街でしたが、そこで起きた事件とはなんだったのか。
事件の闇に迫ってみます。
事件の概要
1982年6月6日、新宿歌舞伎町で少女2人がナンパされ殺傷された事件が発生しました。
驚くことに被害者のAさんとNさんは茨城県の中学生(14歳)であり、2人は同級生でした。
事件前日の5日にこの2人はディスコで知り合った女友達の足立区の家に泊まり込んでおり、事件当日、歌舞伎町のコマ劇場の近くにあるディスコ「ワンプラスワン」で遊んでいて、ゲームセンターで20代とみられる男にナンパされます。
ナンパされた後、マクドナルドでお茶をし帰り際に「ドライブに行こう」と誘われてて彼女らは付いて行ってしまい、これが運命の分かれ道となりました。
千葉県千葉市横戸町に向かった車の中でAさんは車中で寝てしまい、起きたらNさんがいないことに気付きます。
Aさんは男に「散歩に行かないか?」と誘われ車外に誘い出されて、突然後ろから殴られさらには首を絞められて失神してしまいます。
その間に男は逃亡し、一命を取り留めたAさんは意識を取り戻し、花見川サイクリングロード脇の笹やぶの中でNさんの遺体を発見。

画像:https://www2.atwiki.jp/
当時の週刊誌の記事です。殺害された被害者の顔写真が大きく記載されました。
6月6日午前、大きな悲鳴をあげる声に通行人が気づき事件が発覚しました。
現場の状況は悲惨だった
殺されたNさんの司法解剖の結果、首を刃物で切られたことによる出血多量であることが判明します。さらには足首のアキレス腱も切断されていました。
現場付近には犯行に使用したと思われる血痕のついた果物ナイフが見つかり、さらには首を絞めた時に使用したホースも発見されます。
Nさんの財布からは2万円が無くなっていたため、強盗殺人であると推測されます。
Aさんも殺そうとした理由はお分かりの通り、事件の発覚を恐れたためです。
犯人は車に殺人に使用する道具を準備していたため、歌舞伎町でナンパした時にすでに犯行を計画していました。
警察は捜査のため犯人の似顔絵を配り、さらには捜査官を歌舞伎町に派遣し徹底的に調査を開始します。
すると殺されたNさんは暴走族グループとバイクを乗り回して遊んでいたことが判明。
殺害現場は暴走族が現れるところだったため暴走族も疑ったが犯人の特定には至りませんでした。
犯人の特徴はわかったものの、時効に・・・
難を逃れたAさんの証言によると、犯人は大学生で品川ナンバーの車に乗っていたとのこと。
下記、証言による犯人の特徴です。
●20歳から25、6歳
●身長約170センチメートル
●浅黒い丸顔、目尻が上がった大きな目と太い眉毛、首まで伸びたパーマ、サングラスをかけていた
●白地に赤い線の入ったシャツに紺色のズボンを着用
●運転していたのは赤か小豆色で2000ccクラスの4ドアの乗用車、前照灯は角型、品川ナンバーで「真新しい感じ」でスポーツカー風
●「俺はXX大学の学生」(Bは大学名までは覚えていなった)、「姉と弟がいるが、現在は姉と二人暮らし」、「弟は女の子によくもてる」、「車は親に買ってもらった」などと話すWikipediaより引用
足跡から犯人はバスケットシューズを履いていたことがわかり、犯行現場または歌舞伎町では日産のグロリアが目撃されていました。
事件現場が千葉の人通りの少ない場所だったため、犯人は土地勘のある人、つまり地元の人ではないかと推測されます。

画像:https://www2.atwiki.jp/
結果的に犯人は逮捕されず時効を迎えてしまい、謎の未解決事件となりました。
事件を知った世間の意見は「凶悪犯よりも14歳の少女が深夜に歌舞伎町という繁華街でたむろしていることに問題がある」ということでした。
責任はどこにあるかという問題になります。