
結婚の儀式といえば華やかなイメージがありますが、その裏には怖い話があります。
今回は結婚にまつわる日本の風習について書きます。
【和装】の嫁入りは死の象徴であった
戦後、日本はキリスト教の豪華なブライダルに影響されて教会やホテルのチャペルで挙式を行うカップルが多数を占めていますが、ここ最近では神社などで行う和装の結婚式も増えているといいます。
人生の門出である結婚式で、あえて日本の伝統衣装である白無垢(しろむく)を身にまといたいという考え方です。
ですが、この白無垢とは実は死の象徴であるという話。
日本では死者には白装束という真っ白な着物を着せてあの世へ旅立たせます。
つまり、白い着物は死を意味していて、白無垢を着た花嫁は生まれた家の娘としてこれにて死ぬということを意味します。
女性は相手の男性の家に嫁ぐわけですから、1度死んでから嫁ぎ先にて生まれ変わるという死と再生を表しているということです。
地方では結婚式の当日に花嫁が生家で茶碗を割るという風習があります。(今現在行われているかは不明)
これは実家で自分が使ってた茶碗を割る=実家に戻らない(つまり離婚をしない)という意味です。
実はこの風習は葬儀の時にも行われています。
霊柩車の出棺の時に死者の霊が戻ってこないようにするため、愛用していた茶碗を割るというもの。
茶碗を割る=この世に戻ってこない
こうすることで迷いなくあの世へ旅立っていけるからです。
このように葬儀と同じく花嫁も茶碗を割る、つまり1度死んでから嫁ぎ先で新しく生まれ変わるというのは本来の女性の結婚の形なのです。
嫁ぎ先とのより強い結びつきを意味しているが、同時に生家とは断ち切るという意味合いもあり、そう考えると切なく思えます。
白無垢を着て結婚式を行いたい女性は、こういった知識があると嫁ぐという意味が深まると思います。
結納の起源
ここ数十年で結婚式が様変わりし伝統の儀式である結納も省かれるようになりました。
結納とはお互いの親族の間で結婚の約束をする儀式であり、平安時代に始まりました。
縁起物や金品を差し上げ大切な娘をいただく儀式です。
この結納のルーツが「結」とよばれる風習です。
農民がお互いの田植えや稲刈りを助け合うこと、つまり労働力をお互いに貸し借りする制度です。
結でつながった農民はお互いを助け合うのが原則です。
こうした労働力を必要とする村では、嫁も労働力と見なされていました。
嫁いだ嫁も家業を継ぐため「結」と見なされ、これが「結納」と呼ばれるようになったという説があります。
もうひとつは両家がともに飲食するお酒と肴(さかな)である「ユヒノモノ」から発生したという説です。
大昔は結納の際に村人までが参加して飲み食いしたといいます。
婚約して村の人に嫁いだ女性は「村の共同財産」として扱われます。
そして村人にこの女性は自分のものである、つまり1人で独占しますということをアピールするために宴を催したと言われています。
近代化した日本ではこのような考え方が薄れてきたため、結納に背を向ける人は多いそうです。
結婚指輪の起源
明治時代に政府は近代化のために外国の文化を取り入れ、1873年に教会での結婚式が行われました。
それ以降チャペルで結婚指輪を交換するキリスト教式結婚式が女性の心をつかみ徐々に増えていきました。
ですが、この指輪というのはもともとは人を縛るための「鎖」だったとギリシアには伝えられています。
ギリシア神話によると神の1人であるプロメテウスが天界から火を盗み人類に与えた罰として、最高神ゼウスが自分に服従しなさいとの命令のもと鉄の指輪をはめさせました。
では結婚指輪のルーツは?
これは古代ヨーロッパの略奪婚があった時代に嫁が逃げられないように鎖で縛ったという過去があり、その名残りが結婚指輪であるという説があります。
なぜ薬指にはめるのか?
愛の象徴である心臓(ハート)に一番近いと考えられていたのが左手であり、薬指には性的な魔力が発せられると考えられていました。
つまりそこに指輪をはめることにより相手の男性を自分だけのものにする・・・というヨーロッパの言い伝えがあります。