
多くの謎が残された「京都長岡ワラビ殺人事件」別名「長岡京殺人事件」。
昭和54年(1979年)5月23日に43歳の主婦と32歳の主婦が仕事終わりにワラビを採りに行き、2日後に山中で遺体で発見された事件です。(片方の主婦は強姦されました)
1994年に時効を迎えて未解決となっているこの事件を紹介したいと思います。
事件の概要
昭和54年5月23日A子さん(43歳)とK子さん(32歳)は午前6時から午前10時までスーパー「いずみや」で勤務していました。
勤務先で食品を購入してその後にワラビ採りに行くと言い、近くの「野山」という山へ向かいました。(11に山頂に到着してワラビ採りを始めた)
しかしその後2人は行方不明になり25日の午前10時半、捜査官により山頂付近で遺体で発見されます。
遺体の状況(地獄図だった)
以下、遺体発見時の状況と京都の医大の教授による司法解剖の結果です。
司法解剖の結果により、犯行は正午~14時半までに行われたと推測されました。
謎のメモが見つかる
この事件の最大の謎、それは「わずか3行のメモ」が残されていたということです。
これはA子さんが着用していたズボンの右ポケットから発見されました。
これがその謎のメモです。
「オワレている たすけて下さい この男の人わるい人」と書かれています。
この紙は彼女が勤務していたスーパーのレシートであることがわかりました。
ですが、このメモがいつどのような状況で書かれたのかが謎のままです。
捜査本部では
・男に追われている段階で書かれた
・暴行されてから書いた
この2つの選択肢に絞りました。
そしてこのメモには「この男の人」と書かれていることから、犯人は単独であると推測されます。
複数犯なら「この男の人たち」という言い方になるからです。
ただ決定的な根拠が存在せず単独犯であったのかは断定できないそうです
「犯人」に疑われた男たち
事件発生から1ヵ月ごろ、警察は怪しいと思う人物をあげました。
①ワラビ採れますか男
事件発生1年ほど前に主婦がワラビ採りをしていると人の気配がして顔を見上げました。すると包丁を持った男が立っていて「奥さん、ワラビ採れますか?」と話しかけられ、主婦は逃げました。
②二人組の男
事件の当日、被害者の2人が山に入ってすぐの午前11時40分に2人の男が山へ入るところを近所の人が目撃している。
③近くの作業員
現場となった近くで建物の工事をしていた作業員が犯人ではないか、との推測があったが警察のターゲットにはされなかった。
④茶色の男
事件の6日前(5月17日)に主婦(30歳)に話しかけた中年の男性が「たくさん採れますか?」を話しかけたという。男はそのまま下山していった。
年齢は40歳~45歳くらいで茶色の衣服を着用していたとのこと。
さらに5月10日にも主婦によって目撃されていました。
その男の似顔絵がこちら。
七三分けに細い目が特徴のこの男が犯人?
警察はこの男の目撃証言が犯行現場から70メートル、200メートルと近かったため、「この男こそが犯人」だと判断して捜査を進めていきました。
しかし似顔絵を公開したのにも関わらず、犯人の特定には至らなかった。
事件の最大の謎
この事件は謎を残したまま迷宮入りしました。
その謎をまとめてみます。
これらの謎は解明されることなく捜査が打ち切りになりました。
長岡市で起こった放火殺人事件との関連があるのか?
このワラビ採り殺人事件の5年後に、長岡市に住む主婦が刺され、さらに布団に火をつけられて殺害される事件がありました。
この殺された主婦は被害者2人の勤めていたスーパーで働いており、事件当日いっしょにワラビ採りに行く予定だったが当日になってキャンセルをしたため難を逃れました、という話があるが、これはデタラメな情報であるとのことです。
口封じ目的で殺したのではと推測されるわけですが、この殺害された主婦が同じスーパーに勤めていたという事実はないとのこと。
おそらく被害者2人とは面識のない人だと思います。
そして時効に
29000人の捜査官を導入したが、残念なことに1994年5月23日この事件は時効になりました。
野山近辺に設置されていた看板なども撤去されることに。
A子さんとK子さんは野山付近の西山の墓地で静かに眠っています。